着物は日本の伝統的な衣装であり、その美しさは海外でも広く知られ、多くの人に認められています。
日本に来る観光客の中でも着物を着てみたい外国人は多く、着物の着付け体験は人気の観光コースになっています。
何故、日本の着物に海外の人が魅力を感じるのか、その人気の理由についてまとめました。
着物の魅力を感じるのは何故?海外で人気の2つの理由
海外の人が着物に魅力を感じるのは、主に次の2つの理由からだと考えられます。
柄や色使いが美しい
着物の魅力のひとつは、着物・帯・小物の組み合わせによる、全体が織りなす色の調和の素晴らしさだと言えます。
着物は同じでも、合わせる帯によってまた違った印象になったり、帯締めや帯揚げなどの小物使いで様々な表情に変わる点が魅力的に感じられるのでしょう。
また、日本は四季がはっきりした国なので、着物や帯に使われる柄も季節を表現したものがたくさんあります。
春は桜、夏は水の中を泳ぐ魚、秋は紅葉、冬は雪、というように、移り変わる季節を着るものに取り入れた民族は他にはあまりみられません。
自然に寄り添い、季節感を大切にする日本人の感性が着物には表現されていて、海外の人の目には「日本らしさ」として映るのです。
しぐさが美しい
着物の魅力は見た目だけでなく、着た人のしぐさの美しさにもあります。
着物を着るとどうしても大きな動きや雑な動きはしづらくなるので、ゆったりとした上品な動きになります。
小さな歩幅で静かに歩いたり、手を伸ばした時に袂を押さえたりといったしぐさは、着物を着ると自然に出るものです。
そういった着物を着た時のしぐさが、日本人らしい奥ゆかしさや品の良さにつながり、憧れをもって海外の人に見られるのです。
他では真似のできない、伝統工芸としての価値
海外の人が着物に魅力を感じる理由には、伝統工芸としてのすばらしさがあります。
糸や反物にする工程など、一部では機械化も行われていますが、職人さんの手でないとできない染めや織りの工程もまだまだたくさんあります。
例えば、結城紬のような紬の着物は、糸を紡ぐ工程から、染め、機織りまでのすべての工程を、何十人もの職人さんが分業して作り上げるものです。
日本には、各地で受け継がれてきたその地方独特の染めや織りの技術がたくさんあり、その技術や工芸品としての価値が海外の人にも認められているのです。
伝統の技術で作られた織物などが、日本の伝統工芸品として、カーテンなどの日用品に姿を変えて海外で使われることも多くなりました。
染めの着物、織りの帯、組み紐の帯締めというように、着物姿はまさに日本の伝統工芸を集めた、贅沢な民族衣装と言えます。
着物の魅力を世界に伝える、海外で人気の秘密まとめ
海外の人が着物に感じる魅力
・着物、帯、帯揚げなどの小物など、着物姿全体が織りなす色の調和が美しい。
・日本の季節の移ろいを表現したものが多い。
・自然に寄り添い、季節感を大切にする日本人の感性が着物には表現されていて、海外の人の目には「日本らしさ」として映る。
・着物を着た時のしぐさに、日本人らしい奥ゆかしさや品の良さが表れている。
伝統工芸としての価値
・日本各地の職人が受け継いできた、高い技術と伝統工芸品としての価値が認められている。
・伝統の技術で作られた織物などが、日本の伝統工芸品として海外で使われている。
・着物や帯は、日本の伝統工芸を集めた贅沢な民族衣装と言える。