着物を扱うお店には、着物屋と名乗るお店と呉服屋と名乗るお店があります。
着物を買いたい時には、どちらのお店で買うのがいいのか迷いますし、そもそも二つのお店の違いはどこにあるのでしょうか。
着物屋と呉服屋の名前の由来や、売っているものに違いはあるのかについて調べました。
目次
着物と呉服の違いは何?言葉の意味の違いを知る
着物と呉服、どちらも和服である着物の事を言っているように見えますが、「着物を着る」という言い方はしても「呉服を着る」とは言いません。
着物屋と呉服屋の違いを説明する前に、まずはふたつの言葉の由来と意味の違いを知っていただきたいと思います。
着物とは
着物とは、まさに「着るもの」という意味で、洋服が西洋から入ってくるまでは日本人の着るものといえば着物でした。
洋服が普及するようになって、洋服と和服(着物)を区別するようになり、着物=日本の伝統衣装である着物という意味で使われるようになりました。
呉服とは
呉服とは、元々は中国の呉から伝わった織り方で作った織物という意味でした。
それが、江戸時代には絹で作られた反物のことを呉服と呼ぶようになり、それ以外の木綿などで作った反物を太物と呼び分けるようになりました。
つまり呉服とは、絹の反物のことで、呉服屋は絹の反物を扱う店ということです。
着物屋と呉服屋、着物を買うにはどちらがいい?
着物屋と呉服屋の違いとは?
上記のように、呉服屋とは本来絹の反物を扱う店の事を指していましたが、はっきりとしたきまりがあるわけではなく、呉服屋で扱う反物は絹のものだけとは限りません。
また、着物を買う時には反物で買って自分のサイズに仕立ててもらうのが普通ですから、現在では呉服屋=着物を売る店という意味で使われている場合がほとんどです。
着物屋は文字通り着物を売る店という意味ですから、着物屋と呉服屋は同じ「着物を売る店」ということになり、特に違いはないと言えます。
着物を買うならどちらが良い?
昔から、着物を売る店は呉服屋というのが一般的で、着物屋という呼び方は近年になって使われるようになってきた言葉です。
どちらかというと、着物屋は化繊や仕立てあがった着物も売る現代風のカジュアルな店、呉服は昔からのスタイルで着物を売る店が多いようですが、明確な定義や区別はありません。
着物屋でも伝統的な着物を扱っている店は多くありますし、呉服屋と名乗っていても絹の反物しか置かない老舗とは限りません。
着物屋、呉服屋といった名前に惑わされず、自分の好みや価格、確かな品物を売る店かどうかで判断するのがお勧めです。
着物屋と呉服屋の違い、着物を買うのにはどちらがいいのかのまとめ
着物と呉服の意味の違い
・着物は本来「着るもの」という意味だったが、洋服が普及するようになって、着物=日本の伝統衣装である着物という意味で使われるようになった。
・呉服は、古代では呉から伝わった織物という意味で使われていたが、江戸時代になって絹の反物のことを指していうようになった。
着物屋と呉服屋の違いとは
・呉服屋は本来絹の反物を売る店の意味だが、着物は反物で買って仕立ててもらうのが一般的なので、おおむね着物を売る店という意味で使われている。
・着物屋と呉服屋、どちらも着物を売る店という意味で、特に違いはない。
着物を買うならどちらが良い?
・着物屋は化繊や仕立てあがった着物も売る現代風のカジュアルな店、呉服は昔からのスタイルで着物を売る店が多いが、明確な定義や区別はない。
・呉服屋と名乗っていても、伝統的な着物や絹の反物しか置かない老舗の店とは限らない。
・着物屋、呉服屋の名前に惑わされず、自分の好みや価格などで決める。