女性が着物を着ていると街なかでも注目されやすくなりますが、いくら素敵な着物を着ていても、立ち居振る舞いがガサツでは魅力が半減してしまいます。
また、着物は裾や袖の袂(たもと)が長いので、しぐさに気を付けないと、着物を汚したり思わぬ失敗をする危険があります。
せっかくの着物姿を台無しにしないために、女性が着物を着た時に美しく見えるしぐさについてまとめました。
目次
着物を着た時の美しいしぐさ、街なかを歩く時の注意点
女性の着物は洋服と違って動きが制限されることが多く、普段何気なく行っているしぐさにも、ちょっとした気遣いが必要になります。
階段や車への乗り降りなど、街なかでよくある次のようなシーンでは、着物でのしぐさに注意します。
立ち姿と歩く時
女性の着物姿では、立っている時も歩く時も、つま先を絶対に外側に開かないのが基本です。
足を開かないように揃えて立ち、洋服の時よりも狭い歩幅で静かに歩きましょう。
階段の上り下り
階段の上り下りでは、裾が開いて足が見えてしまわないように、上前の太もものあたりを右手で押さえるようにします。
人差し指を軽く伸ばして上前の端に沿わせ、残りの指で上前を少し上に引き上げる感じで軽くつまむと上品に見えます。
振袖の場合には、長い袖を引きずらないように、左右合わせて左手で持ち上げるようにします。
車への乗り降り
車に乗る時には、まずは後ろ向きに体を入れてシートに斜めに腰かけ、その後に上前を手で押さえながら両足を揃えて入れるようにします。
降りる時はその逆で、斜めに座って足から降り、足を大きく開かないように気を付けます。
振袖の場合には、階段と同じように袖を持って乗り降りし、乗車中は床に引きずらないように膝の上にたたんでおきます。
着物を着た時の美しいしぐさ、披露宴やレストランでの注意点
結婚披露宴やパーティーなどで椅子に腰かけたり食事をする時にも、次のようなしぐさには気を付けたいものです。
椅子に腰かける
椅子に腰かける時には、右手で上前を少し引き気味に押さえながら、いったん浅く腰かけます。
その後、深く腰掛けなおしますが、背もたれで帯がつぶれない程度にします。
振袖は、両袖を体の前で重ねてたたんでから、上記のようにして座ります。
正座する場合
立った状態から、右足を少し引いて沈むように腰を下ろします。
つま先を立て、左ひざを少し立てた状態で、踵の上に腰を下ろした状態になります。
いったん腰を上げて膝立ちになって両足のつま先を揃え、正座します。
立ち上がる時には、これと逆の動作をします。
食事の時
食事のマナーは洋装の時と変わりませんが、ナプキンが無い場合は大判のハンカチなどを膝の上に広げておくと着物の汚れを防げます。
グラスなど少し遠いところのものを取る時には、テーブルの上のものに袂が付かないように、反対の手で袖口の下あたりを押さえるようにします。
着物を着た時の美しいしぐさのまとめ
女性の着物でのしぐさを美しく見せるには、動作を小さめにして落ち着いて動くこと、足や腕が丸見えにならないように気を付けることが大切です。
・つま先は外側に広がらないように揃える、歩く時は歩幅を小さく。
・階段の上り下りでは、上前を太もものあたりで少し引き上げるようにして、右手で押さえる。
・車に乗る時には、まずは後ろ向きに体を入れてシートに斜めに腰かけ、その後に上前を手で押さえながら両足を揃えて入れる。
・振袖の場合は、階段の上り下りや車の乗り降りの際には、両袖を合わせて左手で持ち、引きずらないように気を付ける。
・椅子に腰かける時には、右手で上前を押さえながらいったん浅く腰かけ、次に深く座りなおす。
・帯がつぶれてしまうので、背もたれにもたれるほど深く腰掛けない。
・振袖は、両袖を体の前で重ね、たたんで腰かける。
・正座は、右足を引いて左ひざをを少し立てた状態で腰を落とし、いったん膝立ちになって両足のつま先を揃えてから座る。
・手を伸ばしてテーブルの上のものを取る時には、袂が付かないように、反対の手で袖口の下あたりを押さえるようにする。