留袖は、訪問着とは仕立てや着付け方が少し違い、使う小物などにも決まりがあります。
留袖を着付ける場合には、訪問着の着付けに慣れた人でも事前に何度か練習し、下着や小物の準備もしっかり確認することをお勧めします。
留袖と訪問着の仕立てや着付けの違い、留袖をきれいに着るための着付けのコツについてまとめました。
目次
訪問着と留袖の違いとは?着物の仕立てと着付けの違いはここ
留袖は礼装ですので、訪問着などの他の着物とは仕立てが若干異なり、着付けの時の小物にも決まった約束事があります。
着物の仕立ての違い
留袖は、訪問着とは違い、比翼仕立てという仕立て方をしてあります。
比翼仕立てとは、着物の衿、袖口、裾、振りといった見える部分に白羽二重という白い布を付け、白い下着を下に着ているように仕立てることを言います。
これは、留袖の正式な着付けとして、留袖の下に白羽二重の下着を着ていたものを簡略化し、二枚着ているように見えるように工夫したものです。
着付けの違い
訪問着では、裾除けや長襦袢などの下着や帯揚げなどの小物は着物に合わせた色で構いませんが、留袖は、裾除けから小物に至るまですべて白で統一します。
留袖の帯揚げは白絞りか白無地、帯締めは白綸子か白羽二重の丸ぐけが正式で、末広(すえひろ)と呼ばれる扇を帯に挿します。
帯締めは、最近では白や金銀の組みひもを使うこともあり、色留め袖では、着物の色に合わせた薄い色でも良いことになっています。
訪問着との違いを知ったうえで、留袖をきれいに着るためには
留袖は礼装でもあり、仕立ても違うため、着付けには訪問着と違い、次のような点に注意が必要です。
衿合わせの注意点
衿合わせの角度は年齢や体形によっても違いますが、礼装ですので、だらしがなくならないように、衿はきっちりと合わせます。
留袖の衿の下についている比翼衿は、着た時に黒い留袖の衿の下から、5ミリ程度出るようにして着付けます。
裾合わせの注意点
留袖のような格の高い着物は、普段着の着物よりも裾を長く着るのが基本です。
裾は腰ひもを結ぶと少し上に上がりますので、裾合わせの時には、床すれすれの長さで合わせるのが、裾を短くしないためのコツです。
また、留袖は裾に入った模様がポイントですので、裾模様が正面を向き、曲がったりしないように注意します。
留袖と訪問着の違いと留袖を上手に着付けるコツのまとめ
着物の仕立ての違い
・留袖は、訪問着と違い、着物の衿、袖口、裾、振りといった見える部分に白羽二重という白い布を付けた比翼仕立てになっている。
・比翼仕立ては、留袖の正式な着付けとして、留袖の下に白羽二重の下着を着ていたものを簡略化し、二枚着ているように見えるように工夫したもの。
着付けの違い
・訪問着は、裾除けや長襦袢などの下着や帯揚げなどの小物は着物に合わせた色でいいが、留袖は、裾除けから小物に至るまですべて白で統一する。
・留袖の帯揚げは白絞りか白無地、帯締めは白綸子か白羽二重の丸ぐけが正式で、末広(すえひろ)と呼ばれる扇を帯に挿す。
留袖の着付けの注意点
・衿はきっちりと合わせ、衿の下についている比翼衿は、着た時に黒い留袖の衿の下から、5ミリ程度出るようにして着付ける。
・留袖のような格の高い着物は、普段着の着物よりも裾を長く着るのが基本で、裾合わせの時には、床すれすれの長さで合わせるのが、裾を短くしないためのコツ。
・留袖は裾に入った模様がポイントなので、裾模様が正面を向き、曲がったりしないように注意する。