帯を背中で結ぶのには柔軟性とある程度の力が必要で、年配者やふくよかな体形の人は苦労することもあるようです。
そんな人には、お太鼓を前で結んでから背中に回すやり方がお勧めです。
基本的に結び方は同じですので、元々自分で着物が着られる人なら、少し練習すればできるようになります。
袋帯のお太鼓を前結びで締めるやり方と、前結びに必要な小物についてまとめました。
目次
袋帯のお太鼓、前結びのやり方
袋帯ですので、二重太鼓の前結びのやり方について説明します。
結び方の基本は背中で結ぶ時と同じなので、帯揚げ、枕、帯締め、仮紐、着物クリップなどを使いやすいように並べて置きます。
①手先から70cm位のところが前の中心になるようにし、手先を上に向かって折り上げて肩にあずける。
②帯を胴に2周巻いたら、前で結んでお太鼓を作り、枕、帯揚げ、仮紐を背中側で仮に結んでおく(この時、必ず帯の上で結ぶ)。
③手先をお太鼓の中に通し、帯締めを②と同様に背中で仮に結び、仮紐を外す。
④左手で帯板を押さえ、右手で帯の下側を持って時計回り(左から右)の方向に回す。
⑤お太鼓が背中に回ったら、帯揚げや帯締めを綺麗に締めなおして出来上がり。
袋帯のお太鼓、上手な前結びのコツと必要な小物
前結び用の帯板
袋帯のお太鼓を前結びで結ぶ時にも、基本的に必要なものは一緒ですが、帯板は前結び用のものがお勧めです。
いくつか種類がありますが、胴全体をくるりと巻くようにできていて、帯が回しやすいように滑りやすくなっています。
普通の帯板でもできない事はありませんが、後ろに回らないように帯板を押さえながら帯だけを回すのは、相当な力が必要です。
帯締めなどの仮結びでの注意
前結びでは、帯揚げなどはいったん背中で仮に結んでおきますが、必ず胴に巻いた帯の上で結ぶようにします。
着物の上で結んでしまうと、最後に帯を回す時に回せないので注意します。
着物クリップやお太鼓を作る時に使った仮紐も、回す前に必ず外します。
帯を回す時の注意
帯を回す時には、必ず左から右に向かって、時計回りに回すようにします。
着物の衿合わせは左が上になっているので、逆に回すと着崩れる恐れがあります。
袋帯のお太鼓、前結びに必要な小物とやり方のコツまとめ
袋帯の二重太鼓のやり方
・結び方は、基本的に後ろで結ぶ時と同じなので、袋帯や小物などは普段通りに使いやすいように並べておく。
・手先から70cm位のところが前の中心になるようにし、帯を胴に二回巻いて、前でお太鼓を作る。
・背中で帯締めや帯揚げを仮結びしておき、仮紐を外したら左から右に帯を回して、お太鼓を背中に回す。
・最後に帯揚げや帯締めをきちんと結びなおす。
前結びのコツと必要な小物
・普通の帯板では帯を回すのに力が必要なので、滑りやすい前結び用の帯板を使うのがお勧め。
・帯締めなどを背中で仮結びにする時には、必ず胴に巻いた帯の上で結ぶ。
・帯を回す前に、着物クリップや仮紐は必ず外す。
・帯を回す時には、左から右に向かって回さないと、着崩れする恐れがある。