留袖は既婚女性の第一礼装とされていて、結婚式では仲人や親族の女性が着る着物です。
普段にはあまり着ない特別な着物ですし、収納する時のたたみ方も訪問着などの普通の着物とは違ってきます。
留袖を綺麗に保つための正しいたたみ方と、普通の着物と同じたたみ方ではいけない理由についてまとめました。
留袖のたたみ方。なぜ本だたみではいけないの?
留袖には黒留袖と色留袖があり、どちらも五つ紋付きで、上前の裾部分に縁起の良い柄をあしらった裾模様があるのが特徴です。
着物をたたむ時には、一般的には本だたみにすることが多いですが、留袖は本だたみとは違うたたみ方をします。
これは、できるだけ折りじわができないようなたたみ方をし、留袖を綺麗に収納しておくための配慮です。
第一礼装である留袖は、それほど頻繁に着る着物ではありませんので、長く収納している間に余計な折りじわが付いてしまわないようにするのです。
また、留袖の裾模様には金や銀の刺繍や箔を使ったものが多く、本だたみにするとたくさん折り返すことになり、裾模様を傷める原因になります。
裾模様の部分をできるだけ折らないで済むたたみ方をし、和紙などをかぶせて保護するのが、正しい留袖の収納の仕方です。
留袖の正しいたたみ方とは
では、留袖は具体的にはどのようなたたみ方をしたらいいのでしょうか。
一般的には、夜着だたみというたたみ方をすることが多く、たたみ方は以下のようにします。
①裾が右側にくるように、留袖を横向きに広げます。
②脇の縫い目で下前、上前の順に折り、後ろ身ごろに重ねるようにたたみます。
③衿肩明き(衿の首の後にくる部分)を内側に折り、左右の衿も縫い目で内側にたたむ。
④両袖を身ごろとつなぎ合わせている縫い目で折り、身ごろに重ねるようにする。
⑤裾模様の部分に和紙を乗せて保護し、身丈を半分に折る。
⑥⑤で半分に折った留袖を、さらに1/2か1/3に折ってたとう紙に包む。
裾模様以外にも、小さく切った和紙をそれぞれの紋の上に乗せて保護するようにするとさらに安心です。
留袖のたたみ方、普通の着物と同じではダメな理由まとめ
なぜ本だたみではいけないの?
・第一礼装の留袖は着る機会が少ないため、収納している間に余計な折りじわがつかないようにする必要がある。
・本だたみにすると、裾模様の部分を多く折ることになり、金銀の刺繍や箔を使った裾模様を傷める心配がある。
留袖の正しいたたみ方は?
・夜着だたみなどの、できるだけ余計な部分を折らないで済むたたみ方が一般的。
・裾模様の部分には和紙などを当てて保護すると良い。
・必ずたとう紙に包んで保管する。