留袖は、比翼仕立てという特別な仕立て方がしてあり、下に長襦袢を着るかどうか迷う人もいるようです。
そもそも、留袖は、どうして他の着物とは違う仕立てになっているのでしょうか。
留袖の比翼は何のためについているのかや、長襦袢は着るべきかどうかについてまとめました。
目次
留袖の比翼仕立てとはどんなもの?何のためについているの?
留袖の比翼仕立てとは、どんなもののことをいい、何のためにつけているのでしょうか。
留袖の比翼仕立てとは?
比翼仕立てとは、衿や袖口などに白い布を付けて、下にもう一枚着物を着ているように見せる仕立て方で、留袖の特徴のひとつです。
比翼は、正式には白羽二重を使い、衿、袖口、振り、裾に縫い付けられています。
どうして比翼を付けるの?
昔の風習では、留袖のような礼装を着る時には、下着と呼ばれる白の着物を下に重ねて着ていました。
長襦袢の上に着物を二枚重ねて着ることになり、動きにくく実用的でないため、時代とともに比翼を付けることで簡略化されました。
アンティークなどの古い留袖には比翼が付いていないものがあり、その場合には白羽二重の下着を着るか、比翼仕立てに仕立て直します。
留袖の比翼は長襦袢の代わりになる?留袖の下には何を着るの?
留袖を着る時の長襦袢は、次のことに注意して準備をします。
長襦袢は必要?
比翼は、留袖の下に来ていた下着を簡略化したもので、長襦袢とは違うものです。
昔の人も、長襦袢を着たうえで、下着と留袖を重ね着していましたので、留袖を着る時には長襦袢が必要です。
長襦袢を着ないと半衿もつけられませんし、着物姿として成立しません。
留袖の長襦袢
留袖は礼装ですので色物は避け、白の長襦袢に白羽二重か塩瀬の半衿を付けて着ます。
白であれば無地でもいけないことはありませんが、格の高い着物ですので、白で地紋の入ったものが正式です。
また、地紋の模様によっては、喪服にしか着られないものもありますので、間違って着ないように注意しましょう。
花の地紋なら蓮の花以外のもの、寿などのお目出度い文字の入ったものが留袖用になります。
留袖は長襦袢は着なくていい?比翼の意味と長襦袢の注意点まとめ
留袖の比翼仕立てとは?
・衿、袖口、振り、裾に白い布を付けて、下にもう一枚着物を着ているように見せる仕立て方で、留袖の特徴のひとつ。
どうして比翼を付けるの?
・昔の風習では、留袖のような礼装を着る時には、下着と呼ばれる白の着物を下に重ねて着ていた。
・着物を二枚重ねて着ることになり、動きにくく実用的でないため、時代とともに比翼を付けることで簡略化された。
留袖に長襦袢は必要?
・比翼は、留袖の下に来ていた下着を簡略化したもので、長襦袢の代わりにはならない。
・長襦袢を着ないと半衿もつけられないし、着物姿として成立しないので、長襦袢は必要。
留袖の長襦袢
・留袖には、白で地紋の入った長襦袢を着るのが正式で、白羽二重か塩瀬の半衿を付ける。
・地紋の模様によっては、喪服にしか着られないものもあるので、間違って着ないように注意。
・花の地紋なら蓮の花以外のもの、寿などのお目出度い文字の入ったものが留袖用。