着物姿でも自転車に乗りたい、乗る必要があるといった時に、着物を汚さずに乗れる方法はあるのでしょうか。
着物は今でこそ高級品のように扱われていますが、戦後間もない頃までは、普段着として日常を着物で過ごす女性はたくさんいました。
そういった時代には、着物で自転車に乗る女性もいましたので、いくつかの点に注意すれば乗れないことはありません。
着物で自転車に乗る時に、注意しなければいけない点についてまとめました。
目次
着物で自転車に乗るとき、着物を守るためにできること
着物で自転車に乗る場合にまず心配なのが、着物を汚したり破いたりしてしまう事ではないでしょうか。
着物の汚れや破損を防ぐには、次のような方法があります。
ウールや洗える化繊の着物を着る
着物で自転車に乗る場合には、ウールや化繊の着物など、はじめから安価で手入れがしやすいものを着るのが賢いと言えます。
最近では、洗濯機で洗える化繊の着物が多く出回っていて、値段も手ごろですし、自転車用に購入するのもいいと思います。
もんぺ袴や水屋袴を履く
もんぺ袴や水屋袴は、お風呂の掃除や屋外での作業の時に、着物の裾を汚さないように履くものです。
着物の上からでも履きやすく、動きやすいので自転車も安心です。
一度限りでなく、この先も着物で自転車に乗る必要があるという場合には、こういった袴を買っておくといいでしょう。
雨コートを上に着る
着物用の雨コートを上に着て、はだけないように膝の上あたりをピンで止めておく方法もあります。
自転車がこげるくらいに脚が開くように、幅に余裕を持たせて止め、ピンの位置が下過ぎないように注意します。
良い着物の場合には、着物の裾を端折って(裾を折り返して帯などに挟むこと)、着物クリップなどで止めておくとさらに安心です。
この方法は、自転車をこぐと雨コートの下から長襦袢の裾や脚が見えてしまいますので、見た目は少々悪くなります。
着物で自転車、安全に乗るためにしておくべきこと
着物の場合は、洋服と違って脚が大きく開かないので、うっかりすると転んで怪我をする危険があります。
着物でも安全に自転車に乗るには、次の点に気を付ける必要があります。
普段よりもサドルを低くして乗る。
着物は裾が長くてタイトな分、自分が思っている以上に脚は開けません。
裾が絡まって転ぶ危険もあるので、いざという時にしっかり足が地面に着くように、いつもよりもサドルを低くしておきます。
できればあまり大きくない、小ぶりな自転車の方が、着物の場合には乗りやすいと思います。
時間に余裕を持って、スピードを出しすぎない。
とにかく着物は動きにくいので、何をするにも普段より時間がかかると思って行動しましょう。
急ブレーキをかけたり、人とぶつかりそうになった場合に、思うように動けず転倒する危険は洋服より多くなります。
普段運動神経が良いという人でも過信せず、時間に余裕を持って出発し、洋服の時よりもゆっくり走るように心がけます。
慣れないうちは道を選ぶ
人通りが多い道や車が多くて歩道が無い道など、普段でも自転車が乗りにくいような場所はできるだけ避けます。
自転車で出かける事があらかじめ分かっている場合には、事前に着物で練習するのもいいと思います。
サドルの高さや、どのくらいのスピードで走れるかが分かっていれば、用事がある当日も余裕を持って出かけられます。
着物で自転車、乗るときに心配な事とその対策まとめ
着物を汚したり、破損を防ぐには
・安価で手入れが簡単な、ウールや化繊の着物を着る
・もんぺ袴や水屋袴を履く
・着物の裾を端折って雨コートを着用し、はだけないようにピンで止める。
着物でも安全に自転車に乗るためには
・とっさの時に足が着くように、普段よりもサドルを低くして乗る。
・時間に余裕を持って、スピードを出しすぎない。
・出来れば安全な場所で練習し、慣れないうちは危険な道は避ける。