着物と同じように、袋帯も呉服屋さんで買った時には仕立てが必要です。
たいていは呉服屋さんにお任せになってしまいますが、仕立て方について知っておけば、自分の好みに合わせて仕立てることができます。
袋帯の特徴と基本の仕立ての知識、好みに合わせた仕立て方についてまとめました。
袋帯の特徴と基本の仕立ての知識
袋帯の特徴
袋帯は、帯の表地と裏地が袋状に縫いあわされていることからそう呼ばれていますが、最近では表裏を別々に縫って合わせた縫い袋帯が多くなりました。
留袖や訪問着などの礼装や正装の着物に合わせる帯で、吉祥柄などの格調高い柄が多く、お太鼓にすると二重太鼓になる長さがあります。
また、最近ではお召しや紬などの普段着に合わせるしゃれ袋帯も多く出回っており、こちらはモダンでカジュアルな柄が多くて気軽に締められます。
袋帯もしゃれ袋帯も長さや仕立て方に違いはなく、素材や柄の格式によって合わせる着物を選びます。
仮仕立てとは
仮仕立てとは、袋帯の表地と裏地を縫い合わせて一本の帯にした状態のことです。
帯芯などは入っておらず、帯の端も縫い合わせていない状態で、呉服屋さんに置いてある時はたいてい仮仕立てになっています。
本仕立てとは
帯芯を入れて(いれない場合もあります)端を縫い、使える状態に袋帯を仕立てることを言います。
一般的には、仮仕立て→購入→本仕立てという流れになります。
袋帯を自分の好みにあった仕立てにするには
関東仕立てと関西仕立て
袋帯の基本の仕立て方には、関東仕立てと関西仕立てがあります。
袋帯の端には界切線と呼ばれる線が入っていますが、界切線を中に入れて見せないようにした仕立て方が関東仕立てで、見えるのが関西仕立てです。
界切線を見せる意味はあまりなく、現在では関東仕立てが主流を占めており、呉服屋さんも指定がない限りは関東仕立てにするのが一般的です。
帯芯
袋帯を仕立てる時には、通常は帯に張りを出すための帯芯を入れて仕立てます。
帯芯の硬さは様々で、仕立て屋さんが帯の素材に合ったものを入れて仕立ててくれますが、ある程度なら好みに合わせてもらうこともできます。
お太鼓の部分に張りがあった方が好みならば硬めのものを、振袖用で凝った創作結びにしたい場合には柔らかめにしてもらうと、扱いやすい帯になります。
お太鼓柄
袋帯の柄の入り方には3つの種類がありますが、帯を締めた時に、前とお太鼓の部分に柄が出るようになっているものをお太鼓柄と言います。
帯のどの位置に柄が入るかはあらかじめ決まっていますが、太っている方などは思う位置に柄が出ないことがあります。
帯の表に出ない部分に長さを足したりというように、仕立て方である程度調整できることもあるので、相談してみるといいでしょう。
袋帯の特徴と仕立て方。自分の好みにあった仕立て方のまとめ
袋帯の特徴
・元々は表地と裏地が袋状に縫い合わされている帯のことを言うが、最近では表裏を別々に縫って合わせた縫い袋帯が多い。
・袋帯は二重太鼓が作れる長さで、基本的には礼装や正装の着物に合わせる帯だが、普段着に合わせるためのしゃれ袋帯もある。
仮仕立てと本仕立ての違い
・仮仕立てとは、袋帯の表地と裏地を縫い合わせて一本の帯にした状態のことで、呉服屋さんにはこの状態で置いてあることが多い。
・本仕立てとは、帯芯を入れて端を縫い、袋帯を使える状態に仕立てることを言う。
自分の好みにあった仕立てとは
・袋帯には、関東仕立てと関西仕立てがあり、現在は界切線を中に入れて見せないようにする関東仕立てが主流。
・帯芯の硬さは様々で、仕立て屋さんが帯の素材に合ったものを入れて仕立ててくれるが、ある程度なら好みに合わせてもらえる。
・お太鼓の部分に張りを出したい時は硬めを、創作結びなどの凝った帯結びには柔らかめが良い。
お太鼓柄の帯
体形の問題で、お太鼓柄の位置が思う場所に出ない時には、仕立ての時に相談すると良い。